英語の名詞は、数えられる名詞と数えられない名詞に分けることができます。
たとえば「りんご」は an appleとanを付けることで、「りんごが1つ」であることを表すことができます。
しかし、「水」は a waterとaを付けても「水が1つある」という意味で使うことができません。
「水」は、a glass of water 「グラス1杯(分)の水」というように個数ではなく量であらわすことができます。
この例の場合、appleは数えることのできる名詞で、waterは数えることのできない名詞ということになります。
では、なぜ数えられる名詞と数えられない名詞を区別する必要があると思いますか?
それか、数えられるか・数えられないかによって以下の違いがあるからです。
- 名詞の前にa/anなどの不定冠詞が付くか、付かないかが変わる。
- 単数形・複数形どちらで表すかが変わる。
- 数や量の表し方が変わる。
- 数えられる名詞か数えられない名詞かで訳し方が変わる。
話し言葉では間違っていてもそれほど文章に影響はありませんが、公式な文章などを書くときは正しく使う必要があります。
間違って使ってしまうと、英語のネイティブスピーカーには不自然に聞こえてしまいます。
英語のネイティブスピーカーは普段特に意識することなく数えられる名詞と数えられない名詞を使分けていますが、日本人の私たちはそういうわけにはいきません。
日本語にはないコンセプトなので、使いこなすにはきちんと勉強する必要があるのです。
この記事では、数えられる名詞と数えられない名詞の種類の名詞の違いと、これらの名詞の数と量の表し方についてお話しします。
数えられる名詞と数えられない名詞の違い
数えられる名詞と数えられない名詞は、文法用語で以下のように呼ばれます。
数えられる名詞 = 加算名詞 = 英語ではCountable.
数えられない名詞 = 不可算名詞 = 英語ではUncountable.[/box]
英和・英英の辞書の関わらず、名詞を辞書で引いたときに C や Uという記載がある場合がありますね。
CはCountableの略なので数えられる名詞ということを表しています。
そして、UはUncountableの略なので数えられない名詞ということです。
名詞によっては数えられる・数えられない両方の意味を持つこともあります。
また、英語の名詞は複数の意味を持つ場合もあり、同じ単語でも意味によって数えられる場合と数えられない場合があることもあります。
数えられる名詞
冒頭ではりんごを例に数えられる名詞を紹介しました。
ここでは、数えられる名詞として「猫」を例にお話しします。
「猫が1匹います。」の場合、There is a cat. 若しくは There is one cat.と表すことができます。
「猫が3匹います。」の場合、There is three cats.と表すことができますね。
このように数えることのできる名詞には以下の特徴があります。
- 単数形の場合、名詞単体では使えない(a/an, the, my等が名詞の前に付く)
- 複数形であらわすことができる(複数形は名詞単体で使える)-※
- 「○○匹」などと数であらわすことができる
※FishやSheepなどは例外で、複数形になりませんが数えられる名詞です。また、複数にする必要がない名詞もあります。例:a look など
不定冠詞 aとanの使い分け、oneと置き換える時のルールについては以下のページを参考にしてください!
数えられない名詞
上の写真は「自然」をイメージした画像です。
「自然」という名詞は英語で nature。これは数えられない名詞です。
「ニュージーランドには美しい自然があります。」を英語にすると、There is beautiful nature in New Zealand.と表されます。
このように、数えられない名詞には以下の特徴があります。
- a/anを付ける事ができない(誤り: a water )
- 複数形にできない(誤り:waters )
- 名詞単体で使われる(例:water, milk)
- 数であらわすことができない(誤り:two waters )
- 単数形扱いになる(例:前置詞:this, that / 動詞:is, has など)
- a ~ of という表現を名詞の前に付けて量を表すことができる(例: a piece of , a cup of)
数えられない名詞の例については下の記事を参考にしてください。
数えられる名詞と数えられない名詞の数と量の表しかた
数えられる名詞の場合、a/an や、one, two などの数を表す単語と一緒に使うことができます。つまり、「1つ、2つ」と数字を使って表すことができます。
いかし、数えられない名詞は数で数量を表すことができません。
そのため、数えられない名詞には量を表す単語が使われます。冒頭でも例に挙げましたが「水」water は数えられない名詞です。
- I need a water. – ×
- I need a glass of water. – ○
waterという単語に a を付けて「1つ」ということができないので、a glass of「グラス1杯の」という量を表す言葉を使い量を表す必要があります。
その他の数量を表す単語
someとanyという単語は、数えられる名詞・数えられない名詞どちらに対してもつかうことができます。
数えられる名詞の例:
- We bought some apples. 「私たちはりんごをいくつか買った。」
- Do you have any apples? 「りんごはいくつかありますか?」
数えられない名詞の例:
- We bought some water. 「私たちは水を買った。」
- Do you have some water?「水は(いくらか)ありますか?」
「少しの」「たくさんの」という数量を表す単語
「少しの」「たくさんの」という数量を表す言葉には以下のようなものがあります。
しかし、これらの全てが数えられる名詞・数えられない名詞両方で使えるわけではなく、名詞によってはどちらかでしか使えません。
「少しの」という数量を表す英語
「少しの」という意味の英語に関して、a fewとfew は、数えられる名詞に対して使うことができますが、a littleとlittle は、数えられない名詞にしか使うことができません。
例えば
a fewとfewの例:
- There are a few people in the park. 「公園には2、3人の人がいます。」
- There are few people in the park. 「公園にはほんの少しの人しかいません。」
a littleとlittleの例:
- There is a little milk in the bottle. 「ビンには少しのミルクが入っています。」
- There is little milk in the bottle. 「ビンにはほんの少しのミルクしか入っていません。」
「たくさんの」という数量を表す英語
「たくさんの」という意味の many は、数えられる名詞でのみ使え、much は数えられな名詞でのみ使えます。それと対象に、a lot of と lots of は数えられる名詞・数えれられない名詞両方に対して使うことができます。
また、manyは肯定文と否定文どちらでも使用されますが、muchは主に否定文で使用されます。
many, a lot of, lots ofの例:
- There are many people in the park. 「公園にはたくさんの人がいます。」
- There are a lot of people in the park. 「公園にはたくさんの人がいます。」
- There are lots of people in the park. 「公園にはたくさんの人がいます。」
much, a lot of, lots ofの例:
- There is not much milk in the bottle. 「ビンにはミルクがあまり入っていません。」
- There is a lot of milk in the bottle. 「ビンにはたくさんのミルクが入っています。」
- There is lots of milk in the bottle. 「ビンにはたくさんのミルクが入っています。」
数えられる名詞と数えられない名詞の数量の表し方のまとめ
この記事で勉強してきた数えられる名詞と数えられない名詞の数量の表し方を下の表にまとめました。
数量を表す英語 | 数えられる名詞 | 数えられる名詞 |
数名詞(例:one, two) | ○ | × |
a few / few | ○ | × |
a little / little | × | ○ |
many | × | ○ |
much | × | ○ |
a lot of / lots | ○ | ○ |
【まとめ】数えられる名詞と数えられない名詞の違い
数えられる名詞と数えられない名詞の違いや、数量の表し方の違いをお話ししました。
冒頭でもお話しした通り、数えられる名詞と数えられない名詞には違いがあり、その違いにより英文の作り方も異なります。
より自然な英語を書いたり話したりするには、数えられる名詞と数えられない名詞の違いを正しく理解する必要があるのです。
日本語にはないコンセプトですが、しっかり学習し身に付けていきましょう。
わからない部分がありましたらお気軽にお問い合わせくださいませ☆
今回参考にした英語の本